過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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187: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/03/12(木) 22:13:57.60 ID:QS4zXBMr0
咲「でも、私は……」

憧「宮永さんたちは、どうしたってただの友達じゃないでしょう?」

その問いに、咲は答えられない。

けれども憧はその沈黙を肯定と取ったらしい。

憧「人の感情だからね。明確な線引きができるわけもないし」

憧「和と宮永さんが随分疎遠だったって言うことも、和から聞いてるわ」

テーブルの上に乗せていた咲の手を、憧がそっと握ってきた。

優しい仕草だけれども咲には心臓を掴まれた様なものだった。

憧「だからこそ、こうやって傍にいる今は和から逃げないでやってほしいの」

憧の声に、熱いものが滲んでいく。

憧「宮永さんといる時の和の表情はすごく生きてた。流石に失敗の連続で、最近は濁った目ばかりしてたから……」

憧「ただ傍にいてあげるだけでもいいの。宮永さんといるだけで、多分和には何か掴めるものががあると思うから」

咲「……買い被りだよ」

自分でもびっくりするぐらい、かすれた声しかでなかった。

咲「和ちゃんは私にとって大切な友人だよ。でも私は和ちゃんにとってそんな大層な存在じゃない……なりようが、ないの」

憧「宮永さん……?」

咲「私は……、和ちゃんを傷つけるようなことをしたから……」


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