過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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21: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 00:53:25.68 ID:IfVJEPyJ0
咲「なんとか、たどり着けたよ……」


長い階段を登りきり、咲は深く息を吐いた。

ここは北駅からメトロで南に下ったところにあるバスティーユ駅である。

その名の通り、かのフランス革命の大舞台となった場所であり、駅の壁画などにその名残を見ることが出来る。

ホームの一部では、バスティーユ牢獄の遺跡が今も残されているらしい。

もっとも咲の目的は歴史建造物の見学ではなかった。

慣れないメトロに苦戦しながらもここまでやってきたのは、気分転換に憧れのカフェで一服するためである。

咲「ええっと……っと」

メモしたノートを開いた途端に肩からずり落ちたカバンを、咲はなおざりに持ち直した。

本来ならこのボストンバッグはホテルに置いてくるはずだった。

ところが、例のボロ部屋はなんと鍵が壊れていたのである。

フロントに文句を言ってもスタッフはちっとも取り合ってくれなかった。

「私たちは安全だ」などと言われても、咲が安心できるわけがない。

貴重品を置いていくわけではないといえども、どうしても不安にかられてしまう。

結局何とか持ち歩けそうだということで、このボストンバッグを抱えて出かける羽目になったのである。


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