過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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238: ◆CU9nDGdStM[saga]
2015/07/16(木) 20:12:44.89 ID:tUbr3Wd40
和「適当に座っていてください」
二回目の訪問となる和の部屋は、記憶よりも随分と散らかっていた。
特にテーブルの上が酷い。
粉や何かの液体で汚れ、ボールや木ベラなどが散乱している。
咲「お菓子作ってたの?」
和「はい。……憧に聞いたんでしょう?」
「卒業試験」のことを言っているのだとわかり、咲はこくりと頷いた。
咲(こんなに遅くまで……頑張ってるんだね)
改めて見れば、ただのお菓子作りではなく試作品を手がけているのがわかった。
粉まみれのデザイン画が何枚か落ちていたからだ。
和「とりあえず、これでも飲んでください」
そう言って和から手渡されたのはマグカップに入っているショコラだった。
暖かい湯気と共に、ほんのりチョコレートとは違う甘い香りがたっている。
何かのリキュールが入っているらしい。
そっと一口すすれば、体の芯がポカポカと温まるのがわかった。
和「先ほど貴子さんから連絡がありました」
咲が座っているソファの向かいに腰掛けた和が、咲と同じようにショコラを口にする。
和「なかなか戻ってこないから心配したって」
咲「そっか……貴子さんには今度お詫びに行かないと」
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