過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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344: ◆CU9nDGdStM[saga]
2016/03/13(日) 18:47:20.80 ID:vuzFG+Dg0
全てがステンレスで出来た室内には、あの朝と同じような甘い匂いが漂っていた。
しかしどこかが少しだけ違う。
バターと砂糖だけではなく、別の香ばしい匂いが混じっているようだった。
カレン「来てくれたんだな。咲」
最初に咲に気づいたのはオーナーのカレンだった。
彼女は自分の隣の席を咲に勧める。
厨房にきちんとしたテーブルなどもちろんなくて、厨房の真ん中にある巨大な作業台がその代わりだった。
和「出来ました……って、咲さんっ!?」
オーブンから何かを取り出していた和が素っ頓狂な声をあげる。
作業に集中していたのか、何も気づいていなかったようだ。
カレン「お前が所望したんだろうが、和」
和「そうですけど……本当に来てくれるとは……」
咲「私、やっぱりお邪魔かな?」
和「そんなことないですっ!」
咲の言葉を、和は慌てて否定する。
和「どうしても……完成品の第一号は咲さんに食べてもらいたかったんです。出来上がるのがギリギリになりましたけど」
そう言って和は小さな皿を咲の前に置いた。
咲「これは……」
小さなパイのようなお菓子だった。
ドーム型をしており、表面には果物で美しくデコレーションされた王冠が載っている。
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