過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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349: ◆CU9nDGdStM[saga]
2016/03/13(日) 19:02:13.37 ID:vuzFG+Dg0
カレン「いやー、すまんすまん。つい」
憧「カレン……」
照れ笑いを浮かべるオーナーに呆れた声を投げつけたのは憧だった。
彼女が、様子のおかしい厨房に乗り込んで和と咲を助けてくれたのだ。
げっそりしている咲の横で「カレンはキス魔だから」と憧が苦笑する。
そういう情報はできれば事前に知りたかった。
カレン「まぁ、では改めて……」
オーナーの目が、すっと真剣なものに変わる。
カレン「おめでとう、和。合格だ」
和「え……」
和がぽかんと口を開けた。
咲も、あまりにあっさり言われた言葉の重みにまだ追いつけないでいる。
カレン「何でもない日を特別に変えるお菓子……素敵じゃないか!」
満面の笑みがベテラン・パティシエールの顔に広がる。
カレン「しかも、誰かとシェアすることを念頭においているのも面白い」
カレン「伝統菓子のレシピを応用したものは、今まではウチになかったものだし……うん、これはいい」
そう言うとカレンは咲が食べそびれていたケーキをひょいと摘んだ。
彼女も、王妃の方がお気に召したらしい。
和はまだ放心していた。
無理もない。今までどんなに豪勢で完成度の高いケーキを作っても突っぱねられてきたのだ。
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