過去ログ - 和「フランスより」咲「愛をこめて」
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52: ◆CU9nDGdStM[saga]
2014/09/16(火) 21:48:25.15 ID:IfVJEPyJ0
それからは、まるで映画を早送りで見ているようだった。

一瞬蚊帳の外にいたエマが我を取り戻し、咲にはわからない言葉で和に何かを話しかける。

機嫌が悪く和を追い出そうとしているのはわかった。

それに対し、和が低くやはり異国の言葉を吐き出す。

エマは途端に顔色を変え、こちらに一瞥もくれずに明るい大通りへと消えていった。

咲「え……」

助かった、のだろうか。

咲の体から一気に力が抜けていく。

自分を支えることもできずに、その場へ座り込みそうになった。

和「何をやってるんですか」

それを寸前で引き止めたのは和だった。彼女の手は咲の腕を掴んでいる。

和「というか……どうしてこんなところに咲さんがいるんですか」

和の声は固く、視線はぎろりと冷たかった。

咲の腕を掴んでいる手には、割と容赦のない力が込められている。

とても旧友との偶然の再会を喜んでいるようには思えなかった。

むしろこの場にいた咲を責めたてているようだ。

咲「……」

咲は答えあぐねていた。

うまく言葉を見つけられないでいると、

和が再度「ねぇ、咲さん」といらだった声をあげた。


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