過去ログ - 【SideM】伊勢谷四季「百物語をするっす!」
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29: ◆q2oAjQREXs[saga]
2014/09/16(火) 17:05:16.22 ID:s9qq+JqT0
いつものように、二人でソファーでくつろいでいる時のことだ

それまで丸まって寝ていたうちの犬が急に起き上がったと思ったら
背筋を伸ばして何もない方向を凝視し始めた

わたしは少し驚いたが、これだけならたまにあることだと、特に気にはしなかった

だが、どうもいつもよりその時間が長いんだ

さすがにおかしいと思い、声をかけたり背中を撫でてみたりしたが
なんの反応も示さないし、体も完全に固まっている

これは病院に連れて行った方が良いのではないか…
そう考え始めたときに気付いたのだ

この犬は、うちの犬じゃない
わたしとずっと暮らしてきた、わたしの家族ではないと


わたしは、どうすれば良いのかわからなかった

こんなこと、獣医に言っても信じてはもらえないだろうし
なによりも、目の前にいるなによりも愛しいはずの存在が、とても恐ろしく感じられた


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