過去ログ - 阿良々木暦「ななルナ」
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20: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/09/16(火) 20:24:48.72 ID:sCBd7Qvo0



005



後日談と言うか、今回のオチ。

僕と安部さんは再度、炬燵を挟んで向かい合っていた。

「まさか……安部さんにあんな凄い秘密があったなんて……」

「う、ううぅ……」

「安部さんの実年齢がよもや……」

「ストーップ!! それ以上言ったらナナ、本気で怒りますよ!!」

安部さんの目は本気だ。
これ以上はやめておこう。

忍の提案した対策は、『おおよそ神らしくない振舞いをして選考基準から自ら外れる』というものであった。

要は安部さんの黒歴史大発表会である。

その内容は僕の口からはとても言えるものではないが、ファンが聞けば卒倒どころか発狂しかねないものであった、とだけ表現しておこう。

「プロデューサーさん、吸血鬼だったんですね」

「まぁ……色々、紆余曲折ありまして」

人生、どんな紆余曲折があれば人間吸血鬼になるんだよ、と自分でも突っ込みを入れたくなるが、事実は事実なのだから仕方がない。

「……失望しましたか?」

「いいえ、ナナだってウサミン星人なんですからおあいこですよ」

何がおあいこなのかよく分からないが、安部さんなりの気遣いだろう。
謹んで受け取っておこう。

「ナナも吸血鬼になっちゃおうかなぁ」

「へ?」

「だって吸血鬼って年取らないんでしょう?」

「ああ……まあ、そうですね」

「永遠の若さは女せ……女の子の夢ですからね!」

それは女の子の夢と言うよりはアラサーの希望な気もするけれど……。

まぁ、僕も命が惜しいし深くは突っ込むまい。



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