23: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/09/16(火) 20:31:26.23 ID:sCBd7Qvo0
「え、ええっ!?」
「任せてください、掃除は得意なんです」
「そういう問題じゃありません! レディの一人暮らしの部屋は未開の地なんですよ!? そ、それに下手にウサミン星のものに触ったら怪我して火傷して爆発して地獄を見ますよ!?」
「地獄はもう一回見てるので大丈夫です」
「だからそういう問題ではなくてですね!」
「問答無用です。諦めて普段から片付けておかなかったことを後悔してください」
「お願いですプロデューサーさん、勘弁してください! 何でもしますから!」
「何でも!?」
「あ、ごめんなさい嘘です。なんでもはしません」
「じゃあ始めましょうか」
ネクタイを外し壁に掛け、腕をまくる。
慌てふためく安部さんだが、これくらいは役得だ。
このアイドル時とのギャップも安部さんの魅力だな……今度、そっちの方向で売り出してみよう。
寝起きドッキリ的な企画で。
安部さんの言う通り、完璧なんてつまらない。
人でもない吸血鬼でもない中途半端な僕にとって、それだけが唯一の救いであり希望だ。
「あ、そ、そうだ! ウサミン星には一人暮らしの女性の部屋を掃除すると呪われてウサギになってしまうという呪いが……」
「また不定期に見に来ますから、その時また汚れていたら掃除です」
「人の話を聞いてくださいよ!」
「……あ」
とりあえず手当たり次第にものをかき集めようとした鼻先に、ピンク色の布が現れた。
一般的には女性の胸部を保護することを目的とする服の下に着用するもの。
人それをブラと呼ぶ。
「ぎゃ――――――――!?」
いつかひたぎとの初対面、民倉荘で見たひたぎのそれとは明らかに一回りは大きい。
猫が身に着けていた羽川の下着と同じくらい……?
いや、それ以上……?
……マジで?
「本当にトランジスタグラマーなんですね、安部さん……」
「ウサミン☆チョーップ!!」
中途半端な化物として、何回でも変わろう。
僕も彼女たちも、それが出来る生き物なのだから。
阿良々木暦「ななルナ」 END
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