4: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/09/16(火) 19:46:20.83 ID:sCBd7Qvo0
文字通り身近に神様がいるから僕には信仰心がないのかも知れないが、例えそうでなくても僕は神なんて信じない。
いや、散々に怪異という超常存在に行き遭ってきた身としては、述懐した通り知り合いにもいることだし、存在自体を否定している訳ではない。
どんな神を信仰しようと馬鹿にするつもりはないし、どんな神だって崇拝されている以上、いないなんてことはあり得ない。
こんなもの、単純に考え方の違いというだけであって、こんな風に仰々しく語るまでもないことだ。
ただ、そんな都合のいい存在がいるのならば、人類はとっくの昔に衰退している、とだけは言いたい。
ピンチの時に現れて、全てのものを救う。
まるでヒーローか正義の味方だ。
結局のところ、正義の味方だろうが神様だろうが、全てのものを救うなんてことは不可能なのだ。
そして、そんな何でも思い通りに行く世界ならば、人間なんて弱い生き物は飽食と怠惰に塗れて間も無く滅びるだろう。
だから、彼等神様は頑張りすぎてはいけないのだ。
百回くらい祈ったら一回くらいは叶えてくれる、その程度でいい。
そういう意味では八九寺くらいの、人間臭さの残ったいい加減な神様くらいが丁度いいのかも知れない。
もし、願い事が全て叶う世界なんてものがあったとしたら、その世界を席巻する種族は間違いなく神だ。
そして、僕ら人類はあたかも飼い猫のようにひたすら可愛がられるだけの愛玩存在だろう。
良くも悪くも、現在この惑星を支配しているのは人間と言っていい。
そうなれたのは、弱い個体でありながら数と知識で食物連鎖の上に立ったからだ。
それを放棄し神に全てを委ねる世界は、一体僕らにとって幸せなのかどうかは、わからないけれど。
安部菜々。
僕の担当するアイドルであり、シンデレラプロダクションにおいて『最も神に近い』アイドルだ。
これは冗談でも何でもない。
そもそも、アイドルの成り立ちは大元を辿れば宗教を根源としている。
齢を取らない。
人々に崇められる。
そして挙句の果てには人間ですらない。
そんな彼女を、神と言わずして何と呼ぶべきなのか、僕には言葉が見付からない。
今回僕が語るのは、そんな自ら人間を逸脱した彼女との話。
繰り返ししつこいのだが、僕は全知全能の神を信じない。
人間が人生の岐路に立たされた時に、その都度都合のいい奇跡を起こす存在なんていない。
もしそんなものがいたのなら、きっと僕は、今の僕ではいられていないだろうから。
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