8: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/09/16(火) 19:58:40.15 ID:sCBd7Qvo0
「それです! プロデューサーさんは年下の女の子に対し苗字で呼び捨てにするのに、ナナだけさん付けで敬語なのはなんでですか!」
「はっはっは、そんな馬鹿な。気のせいですよ安部さん」
「ちょっとプロデューサーさん!」
安部さんは、アイドルだ。
その小さな身体には不相応とまで言えるプロポーションに加え、ウサミン星人というステータスを上手く扱い、一種の安部菜々とも言える新ジャンルを開拓した。
誤解されがちではあるが、安部さんは一時期流行った電波系、不思議系アイドルとはまた違う。
彼女のやっていることは事務所の意向でも何でもなく、彼女の夢そのものなのだから。
「もうっ、うそつきはウサミン星では有罪ですよ?」
ここが地球で良かったですね、と膨れっ面で拗ねる安部さんは可愛かった。
どうやら電車で一時間の場所にあるウサミン星に地球の法律は適用されないらしい。
「それは地球人で良かった。ちなみに罪状は?」
「死刑です」
「重過ぎる!」
そんな星ならば是非とも貝木でも連れて行ってやって欲しいものだ。
「きらりんもウサミン星行きたいにょわー☆」
「あ、ゆいも行きたーい」
「ごめんねー、ウサミン星は今、観光用に整備中なの」
「随分とインフラの行き届いた星なんですね……」
僕もいずれ行ってみたいな、ウサミン星。
きっとバニー姿の安部さんやバニー姿のウサミン星人の皆さんが迎えてくれるんだ。
バニースーツって非現実的な衣装なんだけど、その分出会えた時の感動は素晴らしいと思う。
何を隠そう、僕も将来お嫁さんに着てもらうために家に用意してあるくらいだ。
「あ、暦ちゃんがやらしーこと考えてるー」
「ぎるてぃー☆」
「ふべっ!?」
「き、きらりちゃん……」
諸星の鉄拳制裁をつむじに受け、苦笑いをしながら頭をさする。
こうして偶然にも行われた十七歳の会は、恙無く進行したのだった。
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