過去ログ - 傭兵「この世でお前が一番大事」僧侶「じゃありま……えっ?」
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16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/17(水) 02:16:43.08 ID:+2GrLTUD0

 舌の付け根に思い切り直撃。衝撃でコップを取り落として、中身が左手にかかります。

僧侶「あちゃ! うぇ、あ、っつ、ぅ、ううう……!」

 もう散々でした。舌は痛いし、手は熱いし、服は珈琲の染みが大きくついてしまっています。余所行きの服が台無しです。

傭兵「お前なにやってんだよ! 大丈夫か!」

 傭兵さんが咄嗟に自分の服の袖で、わたしの手と洋服を拭ってくれました。
 傭兵さんのごつごつとした指先が、わたしの指先を握ります。強い握力。大きな手のひら。それだけでなんだがどきどきしてしまいました。
 ばかみたいです。一緒に旅をしていたときは、岩場やら木登りやらで何度も手を握ったはずなのに、いまさらこんなことで反応してしまうなんておかしな話。

 熱かったのは一瞬で、舌も手も、体も火傷になっていないようでしたが、そう告げても納得のいってない顔をしています。

傭兵「……ベロ出せ」

 至近距離で屈みこむ傭兵さん。どぶ川のように濁った中に、僅かなルビーの輝きを放つ瞳が、わたしの目の前にあります。これが正気でいられましょうか。ましてや口内を見せるだなんて。
 これもまたおかしな話なのでしょう。

僧侶「え、いや、それは、ひょっと」

 少し呂律が回りません。傭兵さんはほら見ろと言った様子で、

傭兵「手は大丈夫かもしれんが、舌は火傷になってるかもしらん。一応救護室にいってこい」

 それは多分舌が火傷とか、そういうことではないのですが、説明なんてできるはずがありませんでした。



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