過去ログ - 傭兵「この世でお前が一番大事」僧侶「じゃありま……えっ?」
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47: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2014/09/21(日) 08:37:33.24 ID:PenK6jnl0

僧侶「えー、遊んでくださいよー」

 冗談めかして言ってみます。冷静な頭でやけにどこかがうるさいぞ? と思えば、それはわたしの心臓なのでしたからたまりません。
 それは莫大な勇気を必要とする行動でした。そんな台詞を吐くこと自体にかなりの勇気がいるだけでなく、どこかよそよそしい傭兵さんを前にして、どんな断りの文句が飛んでくるのかわかったものではなかったからです。

 そうしてからの返事は、予想よりも随分と温度の低いものでした。

傭兵「悪いな」

 愕然としている自分を発見しました。今しがたの傭兵さんの声音は、真剣です。わたしと距離を置こうとしているトーンです。

 あぁ、やっぱりわたしは嫌われてしまったのでしょうか。それとも、嫌われたと思うことすら驕りで、最初から嫌われていたのでしょうか。
 離そう。離さなければ。でないと、嫌われてしまう。もうとっくに嫌われているかもしれないですが、それ以上に。だけど肉体は心よりもずっと正直で、袖から指を離そうとはしてくれません。

 必死の抵抗も空しく、傭兵さんはわたしの襟首を両腕で掴んで持ち上げると、軽く揺さぶって放り投げました。よろめきながら着地したわたしは、それでも食い下がります。

僧侶「わたしも手伝いますから」

 媚びた声でした。それを「女の声」と評するのは、全ての女性に申し訳なく思います。



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