過去ログ - 安価でシークレットゲーム8
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320: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2014/10/27(月) 22:27:09.57 ID:6uNkr/f60
「……陸島さんは、どうしたいんですか?」

俺は進むのを止めて陸島に問いかけた。

陸島はまるで魔法が解けたかのように、目を見開いて俺から離れた。

「どうするもこうも……ないじゃない」

「はは……陸島さんも、女の子なんですね」

「お、大人をからかうものじゃありません!」

俺が笑い始めると、陸島は立ち上がってそっぽを向いた。

「ありがとうございます。おかげで元気が出ました」

「ふふ……どういたしまして」

次に見たときには、いつもの陸島に戻っていた。

「――彰、おかゆできたわよ」

陸島とのやり取りが終わると同時に麗佳が部屋に入ってきた。

「それじゃ、私もおかゆ作ってくるわね。あとは、ごゆっくり〜」

悪戯な顔をした陸島は足早に部屋から出てしまった。

「ちょ、ちょっと陸島さん!」

麗佳が頬を染めながら陸島の後を追おうとするが、扉は既に閉められていた。

2人になった瞬間、部屋に沈黙が訪れる。

「麗佳、その……ごめん……痛ッ!!」

俺は沈黙を断ち切り、立ち上がって歩こうとするが右足がいうことを聞かなかった。

「彰、無理しないで! ほら、安静にしないと……あっ――」

おかゆを机に置いた麗佳が、俺に駆け寄って手を掴む。

その瞬間に彼女は戸惑いの視線をこちらに向けてきた。

「もう、大丈夫だよ。いつもの俺だからさ」

俺は脆く壊れそうな麗佳を優しく抱きしめた。

「……うんっ!」

俺の首筋に彼女の涙が伝う。

そんな彼女の柔らかい髪をゆっくりと撫で下ろした。

「おかゆ、美味しそうだな」

「あ、愛情込めて作ったんだから、当たり前よ! ……食べさせてあげるから、腰下ろして!」

「自分で食べられるから、大丈夫なんだが――」

「いいから、はやく!」

俺は麗佳に押し負けるようにベッドに座った。

「ほ、ほら! 口開けて!」

「え、ちょ、こういうのってフーフーしてからあ〜んって――」

麗佳のこういう不器用なところも、俺は大好きだ――


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