472: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2015/01/25(日) 12:02:37.58 ID:sjJq53Qp0
(いい感じに逃げなきゃ、駄目だよね……)
私はなんとか自然な形で漆山と別れる、という作戦を練ることにした。
下手に相手を刺激することは避けておきたい。
「そういえば、盟ちゃんのPDAの番号は何だったんだ?」
忘れていたのだが、先ほど自分のPDAの番号を確認するとJOKERであることが分かった。
このPDAはルールによると、好きな番号に変化させることができるようだ。
「えーと……麗佳さんが簡単に教えるものじゃないって言っていたので……」
「そうか。できるなら協力したいんだがな」
漆山はルールを交換したときに私が番号を確認したことに気がついていないか、気が付いていない振りをしているようだった。
どちらにせよ彼のPDAが3である以上、脅威であることに間違いない。
(そ、そうだ……協力できないって言えば!)
私は漆山の発言によって閃いたものをそのまま口に出す。
「協力するのは難しいと思うので……別行動したいかなって……」
「難しい、か……ワシもどちらかというとそうなんだが」
「そうなんですか! だったら、しょうがないですよね……」
私は少しずつ別れやすい環境を作り、漆山と距離をあけていく。
「ルール、交換してくれてありがとうございました! お互いに頑張りましょう――」
私は漆山に別れの挨拶をしてその場から立ち去ろうとするが――
「――っ!?」
私は後ろから肩を強く掴まれてその場に倒されてしまった。
「そ、それはあまりにも冷たすぎるだろう……?」
「え、えっと……漆山さん?」
漆山は私の腕を床に張り付けて不気味な笑みを浮かべていた。
「な、なぁ……いいだろう? そんなエロい格好してるってことは、誘ってるんだろう……?」
「や、やめて……ください……」
漆山は身体を触ろうと片手を伸ばしてくるが、私は弱々しくも抵抗した。
身体を売ることには慣れているが、こんな強引にされるのは流石に嫌だった。
しかし、男の力に勝てるわけもなく腕を弾かれて頬を殴られた――
「ん、んおおおぉ……最高だ、最高だよ盟ちゃん!」
「やめて……やめてッ――」
『貴方はルール違反をしました。30秒後警備システムにより殺害されます――』
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