605:名無しNIPPER
2015/02/28(土) 07:40:19.03 ID:i9SF08s/0
すべての言葉を心の中で智子に語りかけながら、ファイブセブンを持つ智子の手を持ち上げさせ、銃口を股間へ合わせた。
手を離すと、智子は手を震わせながらも、銃は下ろさなかった。
“アイツら”――迅と早稀のため、覚悟を決めたのだろう。
そう、それでいい。
「ごめ…んなさい……ごめんなさい…ごめんなさい、芥川くん……」
「謝るなって…」
「……ぅ…うぁ……ああああああああッ!!!」
智子は泣き叫びながら、引き金を絞った。
股間をハンマーで殴られたような衝撃を受け、雅哉の体は大きくのけ反り、倒れた。
ぽつんと股間に穴を開け、雅哉は、息絶えた。
まるで、幸せな夢を見ているかのような、安らかな表情を浮かべたまま。
「ふふっ、よくできました」
雪美がぱちぱちと拍手をした。
その音は智子の耳には酷く遠く聞こえ、もう聞くことのできないはずの雅哉の声と、それを奪った銃声が、耳鳴りのようにずっと響いていた。
ああ、何てことなの…
わたしは、生まれて初めて好きになった人を、殺してしまった…
「うーん…首輪の電気の色とかには、変わった様子はないみたいね。
放送も、かかるわけでもないし…成程ね」
雪美が智子の首輪を覗き込んで観察していたけど、考察結果なんてどうでもいい。
雅哉はもう動かない、それが全てだった。
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