26: ◆297.OiRF9k[saga]
2014/09/24(水) 04:33:33.53 ID:jIaLhw9Eo
数分後、おれたちはソファーの上に隣り合わせに座ってコーヒーをすすっていた。
貴音がコーヒーカップを二人分運んできたときには、隣の小鳥さんの椅子に座ることを勧めたのだが
「小鳥嬢に断りなく使用するわけには」と固辞するので、ならばと連れ立ってソファーに移動したのだ。
「そういえば貴音がコーヒーを淹れてくれたのは今日が初めてだな」
とおれは場の沈黙を破るためにいった。
「美味しいよ、貴音。このコーヒー、じつに俺好みの味がする」
苦し紛れにそういったのではなく、実際に貴音が淹れてくれたコーヒーは本当に美味しかった。
飲みやすい適度の温かさで、かつ甘味がほどほどに好きなおれにとって
砂糖とミルクの量が丁度いい具合に調節されていたのだ。
「それは良かった…」
と貴音は微笑した。
「あなた様が珈琲を飲むときに、いつも砂糖と牛乳を少量ずつ混ぜていたのを覚えていたのです。
いつの日か、あなた様に珈琲を淹れる時の為に。それが役立って良かったです」
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