過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
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10: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:59:39.77 ID:5XhV8xEEo

若いレンジャーは弾かれたように立ち上がり、素頓狂な声を上げた。

あの声の調子では、こちらが気づくまでに何度も呼んでいたのだろう。

悪いことをした気になる。


レンジャー(ひょっとしなくても、これ凄く格好悪い……)


実際にはこちらが思うほど、誰も気にしていないのだろうが。


レンジャー(恥ずかしいやら情けないやら)


ありもしない周囲の嘲笑を妄想して、挙動不審になる。

もちろん、本当は誰も『私』のことなんて、見ていない。

『私』と誰かを比べて嗤ってる暇なんて、誰にもない。

頭ではわかっているつもりだ。


ソファから離れる瞬間、少年がこちらに視線を向けていたことがわかった。

こればかりは妄想ではない。

うっすらと目に涙を堪えた少年と、目が合った気までした。


まさか、自分の名前に覚えがあったわけではあるまい。

裏返った妙な声の主に、思わず目を向けてしまっただけに違いなかった。


レンジャー「い、今、行きます!」


自分でも情けないほど、ばたばたと騒がしくカウンターへと向かう。

なんとも滑稽だ。


だっこ布に包まれたコマタナを盗み見て、レンジャーはまた溜息をつく。

『返却』されてきたコマタナは、ぐっすり眠っていた。

ナースの話では、連日の検査疲れだろうという。

寝顔は、比較的穏やかだ。




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