過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
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◆/D3JAdPz6s
[saga]
2015/10/05(月) 01:58:54.50 ID:f3Lfubnuo
ミュウツーには、彼らがなんの話をしているのか、わからない。
ジュプトルが何を言おうとしているのかも、見当がつかなかった。
だが、ダゲキには話が通じているようだ。
腕を伸ばせば届く程度の距離にいる。
尻尾を振り回せば当たる位置にいる。
にもかかわらず、今この瞬間、彼らがやけに遠く感じた。
以前にも覚えた、疎外感というやつだろうか。
いや、それだけではないかもしれない。
道徳的でない、露悪趣味というか、自虐的というか。
不穏当な表現ばかりが思い浮かぶ。
彼らの口振りには、そんな後ろ暗さがあるように思えた。
そうだ。
違うのか、彼らと私は。
いや彼ら同士も、それぞれに少しずつ。
もしくは、大きく、明らかに。
人間に何をされたか。
人間をどう憎んでいるか。
その過程で、彼らが肉体や自尊心をどう傷つけられたか。
出発点が違う。
だから、到達点が違うのも当然だ。
わからないものは、わからない。
それはお互い様だ。
ミュウツー『いいニンゲンなど、いないと思ったほうがいい』
ヨノワールを振り返る。
ジュプトルとダゲキを視界に入れないように振り向くのに、無駄な苦労をする。
表情はよくわからないが、困っているらしい。
大きな目玉の上に被さるまぶたが、不思議な皺を刻んでいる。
心許ない明かりだけでもわかるくらいには、暗さに目が慣れてきていた。
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