過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
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5: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:54:50.89 ID:5XhV8xEEo

――二十三番でお待ちの方、三番窓口までお越しください

――では、検査の申し込みはこちらへ記入を


ベンチの背もたれに頭を放り出し、もう一度、溜息をつく。

弛緩し、それでも耳だけは館内放送を意識しておく。


レンジャー(とりあえず今のところ、問題らしい問題もなかったみたいだし)

レンジャー(ダゲキたちには、大丈夫って言っちゃっていいかな)

レンジャー(足は『無理させるな』って言えば、あいつらなら十分わかるだろうし)

レンジャー(あとは……)


本来の持ち主との関係をどうするか、だった。

彼らがどういう流れでコマタナを保護したのかは、レンジャーにもわからない。

おおかた、捨てられたか逃げ出して弱っていたところを、連中が保護したのだろう。

あのコマタナも、森にもともと住んでいたポケモンではないことがはっきりしている。


ヤグルマの森には、そもそもコマタナなど生息していないからだ。

つまりは本来、トレーナーを名乗り所有していた人間が、どこかにいたはずなのだ。

コマタナをここまで連れまわし、痛めつけ、そして置いていった人間が。

それがコマタナにとって、どんな持ち主であるにせよ。


もし、コマタナの所有者が現れ、かつ本人が望めば……。

問題ありと判断されない限り、正当な手続きを経た上で“返却”しなくてはならない。

人間が、人間の中で生きようと思うなら、人間の法には従わねばならないからだ。


悪法も法だ。

それがいかに悪法であったとしても。

悪法か否かを判断することは、また別の話だ。

ある誰かがコマタナのトレーナーであるか否かと、その誰かがトレーナーとして適格かどうか。

そのふたつが、似ているようで全く別問題であることと同じだ。




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