過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
1- 20
8: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:56:51.38 ID:5XhV8xEEo

母親「なにを?」

少年「ポケモンは、うまれた ところじゃないと、なかまはずれに されるんだって」

母親「それがどうしたっていうの?」


レンジャー(あ、このあいだのドキュメンタリーか)

レンジャー(でも、あれって子供が観てもわかるのかな)


少年「ねえ、おかあさん……おとうさんが、どこで つかまえたか、わすれちゃったの?」

母親「……」

少年「はやく さがしてあげないと、いじめられちゃうよ」


母親が、組んでいた足を組み直すような音をさせた。

ウウンとかすかに唸っているところを見ると、母親も答えに窮しているようだ。

ここで言い淀むだけ、まだいい方なのかもしれない、とレンジャーは思う。

盗み聞きしている方としては、よけいに居心地悪く、身悶えするしかない。


母親「でもね、そのチラシを貼ってもらったからって、見つかるわけじゃないんだからね」


レンジャーの位置と向きからでは見えなかったが、少年が抱えていたのはチラシの束だったようだ。

おそらく、そのポケモンを見掛けなかったか尋ねるものだろう。

そうした種類のチラシは、さほど珍しいものではない。


少年「わかってる……」

母親「第一、逃げられたのは森の端っこ、って言ってたんでしょう?」

母親「お母さんそう聞いたけど」

母親「だったら、森にはいないかもしれないじゃない」

少年「あいつ ぼくには、そんなこと いわなかった」

母親「そもそも、一匹のポケモンに拘って宿題もしないなんて」

母親「いつまでも根に持つんじゃないの」

母親「また新しいポケモン、捕まえればいいじゃないの」

母親「お父さんに頼んでみたら?」


少年が、袖で顔を拭うしぐさを見せた。

ポケモンセンターの中は、今も冷房が効いて涼しい。

拭わなければならない汗をかく環境とは思えなかった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
434Res/424.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice