過去ログ - 美穂子「ずっと夢に」京太郎「見てたこと」
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13: ◆dmWbjFApRN6u[sage]
2014/09/24(水) 23:37:37.48 ID:c05LtDWao
「差し当たって、今日はどうするのかしら?京太郎くん」

朝らしくさくっとしたトーストとベーコンエッグを美穂子母から振る舞われつつ、京太郎は右手を口元に当てて考えこんだ。
もっとも彼女もそれをポーズだと理解しているらしく、京太郎はこういう所も似ているなと苦笑する。

「――美穂子が構わないのであれば、学校をさぼってどこかに出かけたいと思っています」
「おお!お熱いねぇ、美穂子だなんて」
「あなたは静かにしてて」
「むぐっ」

言葉は刺々しいもののウィンナーを極めて自然な動作で彼の口に放り込む辺り、本当に仲睦まじい事だなと京太郎は感じた。

「美穂子はそれでいいの?」
「……本当はよくないけど。今日一日ぐらい、京太郎と二人きりでゆっくりと、心ゆくまで遊びたい。そう思うわ」
「……ふふっ。本当にあなた達お似合いね。私達の若い頃にそっくりだわ」

そうしてすぐ横へ飛んだ柔和な視線の先には、親指を上に立てて陽気な笑顔を放つ美穂子父がいた。

「ああ!青春短し恋せよ乙女ってな!ははははは」
「私達はもうすぐ仕事に出るけど、京太郎くんはあなたの服使っていいからね。背格好も同じぐらいだし」
「すみません。助かります」
「いいってこと!存分に使ってくれ」

制服しか持ってなかったので自宅に一回帰るしかないと思っていた京太郎としてはありがたい申し出だった。
身支度を整えていた所、仕事へ向かう美穂子の両親を見送ろうとした時、

「改めて言うまでもないと思うけど――まだ孫の顔には早いからね」

去り際に放たれたバカップル1のお言葉にバカップル2は揃って肩を竦めるしかなかった。


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