過去ログ - 【ごちうさ】ハッピーの素はあんこ【あんこ×ティッピー】
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39: ◆AkH/4.EZSk[saga]
2014/10/07(火) 16:13:38.87 ID:Qu/uo7Gn0
リゼが「間に合わない」と思った瞬間。
目の前を走っていたあんこは信じられない加速をしてみせた。
その姿はまさに一発の砲弾であった。

そしてその勢いで今まさに野犬に飛びつかれるという絶体絶命のティッピーを跳ね飛ばし、その危機から救った。
だがその直後、今までティッピーの居た位置へと代わりに身を置いたあんこは野犬に飛びつかれ、野犬の鋭い牙がその首元に深々と突き立てられた。

「あ、あんこー!!」

ココアの叫びなどお構い無しに、野犬はそのままあんこをぬいぐるみの玩具を与えられ遊びはしゃぐかのようにガシガシと二度三度と盛大に振り回し、その都度その小さな体が大きく宙を振り回され、時に地面に叩きつけられる。
その反動からか野犬は得物を口を離してしまいあんこが地面へ放り投げられるも、野犬はすぐさま再度玩具で遊ぶために歩き出す。
しかし地面を転がったあんこは追いついたリゼの足にぶつかりその回転を止め、寸でのところでリゼがあんこを拾い上げた。
そしてリゼは野犬に対し睨みつけ威嚇をする。
しばらく睨みあった後、野犬はリゼに気圧されたのか数歩あとずさり、そのまま道の端に転がっていたティッピーの事も無視し走り去ってしまった。

「ティッピー、大丈夫ですか?」

犬が通りすぎた直後にチノがティッピーのもとへ駆け寄り拾い上げる。

「(あぁ…チノ……わしはなんとか大丈夫じゃ)」
「(それよりも、あ奴は?)」

振り返るとそこにはリゼの腕の中で目を閉じ動かないあんこと、目に涙が浮かべるココアがいた。

「あんこ。ねえ大丈夫あんこ?」

「オイッ、しっかりしろ」

二人とも必死にあんこに呼びかけるもあんこはピクリとも反応をしない。

「全く千夜はもう少し体を鍛えなさいよ」

「あぁ。やっと追いついた…」
「……!あんこっ!?」

息を切らせながら今頃になりやっと追いついた千夜だったが、リゼの腕の中のあんこの変わり果てた姿を見て驚きのあまり息切れをするのも忘れてしまっていた。
すぐに千夜はリゼに駆け寄りあんこを受け取り、そして必死に呼びかけるもあんこは依然として何の反応も示さなかった。

「あんこ?しっかりして!」

「リゼ先輩、一体何があったんですか?」

シャロが若干取り乱しながら不安そうにリゼに説明を求め駆け寄るが、リゼはチノとティッピーの方に一度視線を向け、シャロの方へと顔を戻してから

「落ち着いてくれシャロ」
「今はあいつらを病院へ連れて行くのが先だ、説明はそこでするから」

「わかりました」と返事をするシャロに対し軽く笑顔を向けてから

「とりあえずお前はチノを連れてきてくれ」

そう言ってから、リゼは今度はいまだ取り乱しながらあんこへ呼びかける千夜とココアたちを落ち着かせるべく声をかけた。


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