過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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3: ◆gDTYF1szXU[sage saga]
2014/09/26(金) 01:06:48.62 ID:/Uy9lH6OO
私の身体に異変が起こったのは、高校二年の夏休みのことだった。

家を空けることの多い母に代わって妹達の世話を焼いていた私は、昼食の調理中に刃物で指先を切ってしまった。

傷は思ったよりも深くて、すぐさま真紅の血液が溢れ出る。慌てた私は急いで処置を施して、そうして何とか事なきを得たかに思えた。

けれど、それはどうやら間違いだったらしい。

(なんでかしら、くるしい……)

傷口に当てていたタオルはいつの間にか真っ赤に染まり切っていた。血が止まらない。

それに気が付いた時には、もう立つこともままならない状態で。

倒れ込んだ私を、妹達の不安げな瞳が見下ろしていた。

「にこにーだいじょうぶ?具合わるいの?」


「平気よ」

そう言って、微笑んであげたかった。

微笑んで、あげたかったの。


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