過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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41: ◆gDTYF1szXU[sage saga]
2014/10/26(日) 01:46:36.99 ID:SyN6Q9a4O
「なっ……」

やっとのことで吐き出した言葉も途切れがちになって。

「なに言ってんのよ!」

顔は熱いし涙は零れそうだしで、私はてんてこ舞い。

「なによ。本当のことでしょ!?」

そんな私を包み込む、いつも通りのイタズラっぽいにこちゃんの微笑み。

「真姫ちゃんはにこが傍で支えてあげなきゃ危なっかしいしー」

そ、そんなに世話を焼かれているつもりは……。

「それに、あんな真姫ちゃんを見て放っておけないわよ」

……いまの状況だと、ないとは言い切れないけど。

「にこはね、真姫ちゃんのことが好きだから放っておけなかったし、気まずくなって疎遠になるのも嫌だったの」

彼女は何時もハッキリと物を言う。そんな風に真っ直ぐな所が、私はやっぱり好きなのだと思う。

「何か文句ある!?」

だから、そう締め括られてしまうと私には返す言葉がない。本当にもう、敵わない。

(にこちゃんの、くせに……)

満足気につり上がったにこちゃんの気の強そうな眉毛が、しかし見る見るうちにハの字に垂れ下がっていく。

理由はわかっている。私がまた、泣いてしまったから。

「もう!真姫ちゃんは本当に泣き虫なんだから……」

若干呆れながらも、にこちゃんは私を受け入れ抱き締めてくれた。

柔らかくて、いい匂い。包まれると安心して、眠たくなるような。

「にこちゃん、大好き」

此処は貴女の胸の中。私が素直になれる、たったひとつの優しい場所。


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