過去ログ - にこ「余命幾許もない私と」真姫「私」
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57: ◆gDTYF1szXU[saga]
2014/11/04(火) 07:31:17.72 ID:+7U7EHe3O
ヒンヒンとすすり泣く真姫ちゃんの様子を見て、確信する。

真姫ちゃんはまだ、私の病気については何も知らない。

(でなきゃ白血病の人間を相手に、ここまでハードなハグを迫ったりしないもの……)

仮にも医者志望なんだから……ねえ?

(きっと……うちのママに聞いたのね……)

私と連絡の取れなくなった真姫ちゃんは、無い勇気を振り絞って私の家に押し掛けたか、それとも電話でもしたのだろう。

そうして母は私が入院していることを伝えた。病気の事に関しては強く口止めしておいたから話していない筈だし。

そう考えれば今の状況も辻褄が合う。真姫ちゃんは病気については聞かされず、ただ心配で不安でここに訪れたのだ。

(だから、落ち着いたら必ず──)

「……にこちゃん、何の病気だったの?」

聞かれると、思っていた。

(白血病なの。もうすぐ死ぬのよ)

けれど本当の事なんて、死んだって教えてあげない。

「まだ検査中だけど、数日あれば退院できるわ」

曖昧、だけど言い切ってしまえばそれ以上を追及されることはなかった。

「退院したら、デートしよ!」

まあ、元より追及させるつもりもないけどね。

「べ、別にいいけど……」

だから、これで良いの。これでまた明日から、前と同じ日常が続いていく。そうに決まっているのだから。


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