過去ログ - 中川かのん「あっ……雨、だね……」
↓ 1- 覧 板 20
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/27(土) 02:35:14.76 ID:NJSLtuUs0
かのんの願いとはウラハラに、雨は弱々しくなっている。
二人を繋いでいた雨のリボンは、切れようとしていた。
その時、先程と同じ着信音が鳴り響いた。
着信音のコールは数回程度で終わる。
かのんは携帯電話を取り出す仕草を見せない。
おそらくそれがマネージャーとの相互伝達なのだろう。
かのん「もう、行かないと」
桂馬「そうか」
二人はお互いを見ることなく、そう言い合った。
かのんが空を見上げる。
雨は、まだ降り続いている。
かのん(……この雨が、繋いでくれたんだよね……)
かのん(それなら私は、この雨をやまないようにするよ)
かのんはステップ気味に、桂馬の傘の中から出て行く。
桂馬「お、おい」
雨は弱くなっているとはいえ、予想外の行動に桂馬は声を上げた。
しかし、かのんは桂馬を気にせずに言葉を続ける。
かのん「その傘、やっぱり貸すね」
かのん「でも、その傘は私のお気に入りなの。ライブで使ったりもするんだよ?」
かのん「だから……絶対……」
振り向く彼女は……。
かのん「返しにきてね」
優しい顔だった。
その不意の優しい笑顔に、桂馬は……。
桂馬「あぁ、必ず返すよ」
今度は目を合わせて、言った。
かのん「うん。それじゃ……」
かのん「またね」
30Res/21.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。