過去ログ - 中川かのん「あっ……雨、だね……」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/09/27(土) 01:07:06.22 ID:NJSLtuUs0


その時……。
かのんに想いの雨が降った。

かのん(……まだ、一緒にいたいな……)

かのんは、ひょいっと傘を手前に引いた。
傘を取ろうとしていた桂馬の手は空中を掴む。

桂馬「おい、貸してくれるんじゃなかったのか?」

桂馬はかのんを非難の目で見ている。
その目に気づいたのか、かのんは桂馬から視線を逸らした。

かのん「……実は、傘を貸す条件があったの」

桂馬「条件?」

かのん「そう、えっと……」

かのんは少しだけ俯く。

かのん「私、あんまり学校来れてないから、行ったことない場所とかあるの……」

かのん「学校、案内してほしいな」

桂馬を見つめるかのん。
桂馬はゲーム画面を見つめる。

桂馬(なんで僕がそんな事を……。しかし好都合だ、出来過ぎな位に)

桂馬「それが、傘を貸す条件なのか?」

かのん「う、うん……。ダメ、かな?」

かのんは次第に俯いていく。

かのん(……私、なに言ってるの……)

かのん(あの時、フラれたのに……)

かのん(私と桂馬くんは、もう関係ないのに……)

不安げな表情のかのん。
なぜこんな条件を出したのか、自分でも分からなくなっていた。
しかしそんな彼女をよそに、桂馬は無表情で言い放つ。

桂馬「ダメじゃない」

かのん「えっ」




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