過去ログ - 【安価】提督「苦労と笑顔の絶えない提督ライフです」
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11: ◆4W65v8B6xEyJ[sage]
2014/09/27(土) 01:24:01.99 ID:OFC0dVhB0





 


「よっ曙。何してんだ」


出撃前の空き時間を利用し、ブラブラと鎮守府内を回っていると見覚えのある後ろ姿を見つけ、提督は声をかける。

曙。最近になって編入されてきた新人の艦娘である彼女に対しては、人一倍気を使っている。


「何か用?」


釣り上がった目に、苦い顔つき。明らかに嫌われているのが見て取れる。

艦娘は、兵器でもない一人の少女だ。少なくとも、提督はそう感じていた。

だから、彼女達と仲良くなろうと柔和な態度を崩さずに接しているのだ。

それが、戦場に送り込む提督の義務と信じて。


「用がないなら話しかけちゃ駄目かな?」

「別にいいけど。生憎と、これから戦場に行くっていうのに無駄話はしたくないのよ」


ふん、と鼻を鳴らしそっぽを向く曙はどこか悲しげに表情を歪めていた。

深海の化物達を相手に、命を懸けて戦うことはどれほどのストレスだろうか。

司令室から司令を送るだけの提督が、安易に突っついていい話ではない。


「や、曙はこれが初めての実戦だろ? 緊張しているかと思ってさ」

「そんなことないわよ。緊張なんてしていたら、すぐに死んじゃうもの。それに、」

「それに?」

「…………練度の低い私の代わりなんて幾らでもいるじゃない」


暗く淀んだ目から発せられる想いは、黒く粘ついていた。

代わりがいる。死んでも、また作りなおせばいい。

一部の提督からしたら、レベル一の艦娘なんて取るに足らない塵のような存在だろう。

近代化改修か、解体か。どちらの方法を取っても、戦うことを目的とした艦娘の本意に背くものであることは避けられぬ事実だ。


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