5:おじさん ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2014/09/27(土) 20:29:38.09 ID:JLE6BIiyo
あれは私が最後に稲刈りをした年のことだ。
猪が出た。
山際に有り、しかも父や私達の仕事の都合で刈り入れ時が遅れた我が家の田んぼは、その猪に集中砲火を受けたのだ。
他に荒らす田んぼが無いのだからまあ当然の結果である。ダメ押しとばかりに台風が直撃。稲は見るも無残に地に伏した。
稲刈機は非常に便利だ。進むだけで次々に稲を刈っていく。
だが倒れたり、水分を含み湿気ている稲を刈るとその機械の中で絡む、そうなるとその度に作業は止まり、気持ちも萎える。
刈り残しも多くなり、そうなった稲はその稲刈機のキャタピラに踏み潰される。
稲穂の実りも良いものではなかったたため、我々は草刈機でもってダメになった稲を刈り、処分した。
大昔と違い、稲が不作だったからといってひもじい思いをすることは無い。
けれど、あんなに惨めな気持ちになったのは、私の人生ではほとんど経験に無いことだった。
「あん時は肥料、撒き過ぎたんもあるんじゃけどな」
どういうことだろうか。
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