7:おじさん ◆nlCx7YJs2Q[saga]
2014/09/27(土) 20:32:37.02 ID:JLE6BIiyo
「なんが?」
私は弟に甘えてばかりだった。
自分の夢を追いかけ、誰にも相談をせず地元で努めていた会社を辞め、県外に飛び出て、結婚して、都合の悪いことは弟に手伝ってもらった。
しかし弟は新しい家族である嫁を快く迎え入れ、血の繋がった弟のように振る舞い、やがて産まれた姪や甥にあたる我が子を愛した。
父や母が倒れた時も、その介護のすべては弟が率先してやった。医者やケアマネージャーとのやり取り、市役所へもろもろの申請。
その二人が死んだ時ですらそうだ。葬式の手配から御礼返しまで彼無しでは何一つうまくいってなかっただろう。
先祖から引き継いだ墓の管理も、この田んぼも、弟が全て綺麗なままに残してくれている。
世代を引き継ぐ上で、必ず発生する手間を、私は彼にほとんど押し付けてしまっていた。
真に自分を恥じた。気がつけば涙すら流していた。
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