過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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14:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:04:19.34 ID:4btJ32Bz0
依頼人の記憶の再生はここで終わった。

モコイ「どうッスか。ボクってとってもイケてるネ。
ノリノリだね。ボク。じゃ、おさきッス」

モコイは管の中に戻っていった。

ゴウト「フム、状況は理解できたな。それではその藁人形を検分するとしようか」

依頼人から藁人形を受け取りゴウトとともに検分する。

ゴウト「確かにこの藁人形からは妖気を感じるな。
さて、こやつの依頼にもこたえてやらねばなるまい。この人形どうしたものか」

藁人形の処遇を考えていると、依頼人が息を飲んだ。

依頼人「は、花子。花子をどうするつもりだ!」

突如駆け出した依頼人を目で追い、空地の入り口を眺めると、一人の少女を乱暴に捕まえた人相の悪い男が立っていた。

人相の悪い男「こんなところにいたのかい、探したぜ。
どうするつもりもこうするつもりも、もう三月も前から言ってあっただろう。
あんたも娘も承知していた話だ。借金の返済が出来なけりゃ娘を遊郭に売り払うって」

依頼人「た、たしかにそうだが、そ、それだけはやめてくれ」

依頼人は人相の悪い男に縋り付くように頼み込んだ。
娘は恐怖からか観念しているのか、目を伏せたまま一言も発しない。

ゴウト「おい、ライドウ。どうする。話が妙な方向に転がってきたぞ。
でも本人たちが承知していたならば、悔しいが我々が口を出せるような話でもなさそうだ。
よもやこんなことに巻き込まれるとは」

ライドウは仕方なしに藁人形をいったん懐にしまい、様子を見ることにした。

人相の悪い男「こっちは待てない期限をもう三度も伸ばして待ってやってたんだ。
昨日までに耳をそろえてきっちり返せなけりゃこうなるって承知していただろうが」

依頼人「もう一月、あとひと月だけ待ってくれ、ちょっとずつでも返せているじゃないか。
来月までに必ず払うから……」

人相の悪い男「うるせえ! 今の調子じゃ十年経ったって返済が終わるわけねえだろうが」

依頼人は、人相の悪い男に蹴り飛ばされ、地面にうずくまった。
人相の悪い男はつかんでいた娘を横に突き飛ばし、依頼人にさらに蹴りを入れようと足を振りかぶっている。

ゴウト「双方合意の上の身売りはともかく、目の前で暴力を振るわれたら黙ってはおけぬよなあ。ライドウ」

ゴウトに言われるまでもなく、ライドウは走り出した。
苦も無く人相の悪い男を取り押さえたその時、依頼人が手にした藁人形の赤い糸を解くのが見えた。

藁人形「怨み、聞き届けたり……」

藁人形は、大量の生体マグネタイトを放ちながら突風にさらわれ何処かへと飛び去っていった。
依頼人の手には仄かに赤く光る糸だけが残される。

ゴウト「ばかな! 藁人形はライドウが持っているはず! 奴の手にあるはずがない!」

ライドウが慌てて懐に手を伸ばすと、しまったはずの藁人形がない。
その瞬間、取り押さえていたはずの人相の悪い男が突如消え去った。

ゴウト「なんだと! ええいもう理解が追い付かん。
しかしライドウ、今の男は異界へ消えたようだ。異界深川町へ急ぐぞ。
電車を待つ時間がおしい、大コウリュウの奴を呼べ」

依頼人とその娘のことも気がかりだが、ゴウトの言うことも尤もである。
ライドウは陰陽デンデン太鼓を鳴らして金色に輝く巨大な龍、大コウリュウを呼び出した。

大コウリュウ「久しぶりだな、十四代目葛葉ライドウ。さあ、どこへでも連れて行ってやろう」

ゴウト「志乃田名もなき神社まで頼む、急いでくれ」

大コウリュウ「承知した」


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