32:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:25:18.28 ID:4btJ32Bz0
第四章 黒幕の登場
鳴海に事の次第を報告をしたのは翌日昼のことであった。
地獄少女との決戦後、事務所に帰ったライドウは泥のように眠り、ようやく起きたときにはすでに昼だったのだ。
鳴海「うーん、恩田さん……じゃなくて骨女さんか。
とにかく彼女が地獄少女の一味、ねぇ。
これは妙なことになってきたぞ」
ゴウト「我にも解せん。
自らの一味が出した地獄通信なる広告の広告主を知りたいなどと。
まるで意味がないではないか」
ライドウはゴウトの台詞に同意し、鳴海に意見を求めた。
鳴海「俺の脳裏には今三つの可能性が浮かんでいる。
第一の可能性は今ライドウが言ったみたいに、依頼にまるで意味がないという可能性。
つまりは、依頼なんてのはただの口実にすぎず、うちの事務所に来る、あるいは俺かライドウに会うことだけが目的だったって可能性だな。
ただ、自分で言っておきながらなんだけど、これは考え難いと思うんだ。
だって、ここに来るのが目的にせよ、俺やライドウに会うのが目的にせよそんな口実をわざわざ作る意味がない。
いつだって探偵事務所は空いているんだ。
それに口実を作るにしたってわざわざ自分たちのやっていることの犯人を捜せなんてそんなややこしいことを口実にしないと思うんだ」
鳴海は言葉を切り珈琲をすすった。
鳴海「第二の可能性は、ウチに依頼を持ってきたときは地獄少女とつながりがなかった。
何らかの形で地獄少女とコネクションがほしくて依頼を持ってきたけど、その成果を待たずに地獄少女と接触でき、その一味に加わった」
ゴウト「考えられんな。それならば昨日会った時、単に依頼を破棄するのでもう関わるなと言うはずだ。
それに昨日の感じでは地獄少女と骨女は昨日今日の関係ではなさそうであった」
ライドウはゴウトの意見をそのまま鳴海に伝えた。
鳴海「じゃあ、第三の可能性を聞いてくれ。
これが一番本命なんだが、彼女は本当に地獄通信の広告主を知りたいって可能性だ」
ゴウト「何を馬鹿な。自らの一味が出した広告の広告主を調査するは意味ないだろう」
鳴海「驚いているみたいだな。でも冗談なんかじゃないぜ。
こうは考えられないか? 確かに地獄少女一味は地獄通信の広告主だ。
でもそれは二か月前に始まった地獄通信じゃあない。
それまでの、せいぜい年に数回程度の地獄通信の方の広告主だったんだ。
そして最近誰かが勝手に地獄通信……便宜上偽地獄通信と呼ぼうか。
その偽地獄通信を新聞に載せている。
それで迷惑している地獄少女は調査を依頼してきた」
しかし、それならば偽地獄通信への依頼をも地獄少女は受けていることになる。そのことを鳴海に指摘してみた。
鳴海「地獄少女には区別できないんじゃないか?
以前の広告を見て依頼をしたのか、それとも偽地獄通信を見て依頼をしたのか。
あるいは依頼主が連絡先を知った経緯はどうあれ、恨みのこもった依頼が届いてしまえば動かざるを得ないのかもしれない」
再び鳴海は言葉を止め珈琲をすすった。
鳴海「それに、この可能性が正しいとすると、二か月前に地獄通信が変わったことも説明しやすい。
何しろ広告主が違うんだからな。
さらに、まだライドウには言ってなかったけど、この可能性が正しいことを示唆する証拠もある。
決定的なものじゃあないけどな」
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