過去ログ - 葛葉ライドウ対地獄少女
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47:山梨最高 ◆31XYrFalkuo5[sage]
2014/09/27(土) 23:43:57.11 ID:4btJ32Bz0
ミシャグジさまに案内され無人の屋敷を進む。
書斎の隠し扉から階段を下り、勝手に借りた燭台を頼りにたどり着いたのは、薄暗く殺風景な八畳間程度の部屋であった。
案内を終えたミシャグジさまは管へ帰った。

電灯が設置されていたので点けてようやく室内を観察できるようになった。

室内には机が一台あり、周囲には書物が散らばっている。
どのくらいの期間掃除をしていないのか、床には埃がたまっており、天井近くには赤い背の蜘蛛が巣を張っていた。

数冊拾い上げ表題を改めると、すべて地獄に関わるものであった。

机の引き出しを開けると、使い込まれた数冊の帳面、折り畳まれた紙と、ガラスケースに収められた赤い糸が入っていた。

赤い糸は、地獄少女の藁人形から解いた物に相違有るまい。
紙は何だろうと開いてみると、魔法陣が描かれていた。

ライドウが見たこともない様式で描かれており、その用途は見えない。
ゴウトに見せてみたがやはりわからないようだ。

続いて帳面を取出し机の上に開いた。ゴウトも机に乗り、一緒に読み進める。

ゴウト「ふむ、ご丁寧に研究を始めた契機まで書いてあるな……
地獄少女と契約し確定した自らの地獄行きを取り消す為か。
自分の都合で他人を地獄に流しておきながら何という傲慢よ」

ゴウトに同意しながら更に読み進める。
数冊あった帳面はあと一冊となった。

ゴウト「妙だな、地獄の概要についての調査こそは進んでいるようだが、肝心の地獄の力を繰る術には一切触れておらぬ。
研究の契機を考えれば分からないでもないが……
見ろライドウ最早帳面の日付は三月前だぞ、この僅か一月後には鶉橋は行動を開始するというのにいまだ地獄の力を繰る術の端緒にすら触れておらぬ」

最後の帳面を開くと、『地獄少女ヨリ高位デアル地獄ノ住人ノ存在ヲ知ル。召喚ノ手立テヲ探ル』と一行記されているのみであった。

ゴウト「なるほどな、鶉橋の言っていた地獄の力を操る術というのはこれか。
地獄の力そのものを操るのではなく、その力を持つ悪魔を仲魔とする術のことだったのか。
とすると、先ほどの魔法陣、あれがその地獄の住人とやらの召喚に使われたものに違いない。
しかしあの地獄少女よりも高位とは……
どれほど強力な悪魔なのか想像もつかぬ。
鶉橋の死とともに地獄へ帰っていてくれればいいが……」

ふと、背後から視線を感じる。ライドウとゴウトが振り返るのは同時であった。

謎の声「鶉橋が地獄に流された以上、この部屋のものを処分しなければと思っていたのだが……
まさか、ここまでたどり着くとはな」

年老いた男の声がどこからともなく響く。


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