17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/03(金) 00:15:18.36 ID:mmeFvcwc0
 ふかふかのソファに腰かけ、ボクは隣に座る小波君お手製の朝食を頂いていた。 
 ボクはあまり料理が得意じゃないから最近練習しているのだけど、小波君のこの腕前を見せられるとちょっと積み上げた自信も一撃で粉砕されてしまう。 
 得意じゃないことあるのかなぁ、小波君……。スクランブルエッグを口に運びながらそんなことを考える。 
 小波君はボクの隣で珈琲を啜りながら、正面のテレビでニュースを見ていた。 
 折しもニュースの話題は昨日リーグ優勝を決めたキャットハンズについてである。 
  
 昨日はボクが抑え、そして小波君は捕手起用という、珍しいオーダーで勝利をもぎ取った。 
 ファンも少しビックリな起用法かもだけど、ボクにとってはむしろその逆だったり。 
 高校の時はいつもこうだったしね。だから昨日はいつもよりテンションが上がって、すごく球が走ってたと思う。 
  
 リプレイで見る自分の姿というのはくすぐったいけど、うん、やっぱり絶好調。小波君がキャッチャーだからって張り切り過ぎたみたい。 
  
 「ね、小波君。昨日は勝ててよかったね」 
 「ん? そうだね。でも、あおいちゃんが投げたんだから当然じゃない?」 
 「えへへ、キミが捕ってくれたからね。小波君がいれば、ボクは負けないよ」 
  
 これは冗談なんかじゃなくて、本気。 
 小波君が側にいてくれれば、本当に、ボクは負ける気がしない。 
 体のずっと深い奥底から、どんどんと力があふれ出してくるんだ。それはもう、ずっと、高校時代から、変わらない。 
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