18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/03(金) 00:35:54.66 ID:mmeFvcwc0
 「……ねえ、小波君」 
 「ん?」 
 「えいっ」 
  
 隣の小波君により近づいて、ぎゅっと彼の腕を抱きしめた。 
 小波君は驚いた風でもなく、ただただ優しげにボクを見つめている。……ちょっとくらい反応してくれてもよくない? 
  
 まあ、でも……こんなに密着できたのもなんだか久しぶりな気がするし。思うさま甘えちゃおうかな。 
 ぎゅーっ、とより強く腕を抱いて、体重をまるきり小波君に預けてしまう。 
  
 「えへへー……」 
 「まったく、あおいちゃんは……」 
  
 若干呆れたように。でもやっぱり優しげで、そこに拒絶の意思など微塵もなくて。 
 小波君の大きな優しい手が、ボクの頭を静かに撫でた。瞬間、痺れるような甘い感覚がボクの体を駆け巡る。 
 ボクはこうして小波君に撫でられてるときが、一番好きかもしれない。 
  
 「んぅ……」 
 「…………」 
  
 頭を撫でていた小波君の手が徐々に下がって、ボクの頬に触れた。 
 もにゅもにゅと一通りボクの頬の感触を楽しむ小波君。……もう。 
  
 「はは、柔らかい」 
 「……小波君ってば……」 
 「ごめんごめん……」 
  
 言いながら、ボクたちの視線が重なり合う。 
 ……あ、れ? これって、もしかしてその……そういう? 雰囲気の? あれですか? 
  
 冷静な表情の中に熱を帯びた瞳でこちらを見据える小波君。 
 ボクはまるでその雰囲気に呑まれてしまいそうで、気が付けば小波君により距離を詰めていて――、 
  
  
 「あ〜、よく寝たでやんす〜」 
  
  
 ――ボクたちは全力で距離を離した。あっぶない! 本当にもう、危ない! 
 でもナイスだよ矢部君! うん! 間違いない! 
  
 「……アンタたちなんかやけに距離あいてるでやんすね。怪しいでやんす」 
  
 勘が鋭いな、矢部君! 
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