過去ログ - 早川あおいちゃんスレ
1- 20
27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/10/04(土) 19:11:14.23 ID:Cg4Jauiu0
***

(私は勢いに任せて何をやっているんだ……)

握った手から伝わる温度に、思考はほぼ溶けかけていた。
久々の再会にいてもたってもおられずに、無理矢理に手を取ってしまった。

「……おーい、どこまで行くつもりなんだ?」

振り返れば、長い間焦がれていた表情。それだけで、聖の胸中は満たされた。
それと同時に、もっとずっとこの顔を眺めていたいという欲求もまた生まれてくる。

「ひ、久しぶりの再会なんだ……少しくらい付き合ってくれたって罰は当たらないだろう?」
「もちろん、付き合うことに異存はないけど」

足を止め、振り向きながら聖が問う。
返された小波の答えに胸を撫で下ろしつつ、聖はこれからどうしようかと思いを巡らせた。


聖と小波は、俗にいう幼馴染みだ。
5歳ほど年上の小波を、聖は幼い時分から兄のように慕っていた。
小波が恋恋高校に進学を決めた時、聖の第一志望校は確定したし(結局恋恋高校へは進学しなかったが)
小波がプロ野球界に飛び込んだとき、聖もまたそこへ向かう決意を抱いた。
それくらい、聖にとって小波の存在は大きい。けれど。

「――プロ入りしてからはずっと顔も見せてくれなかったな」
「あー……それは、悪かったと思ってる」
「今日は4年分、きっちり付き合ってもらうからな。に、兄さん」

握る手に力を込め、聖は小波の瞳を見据えて言う。
若干声が上ずったのは、あまりに久しぶりな呼び方をしたからだ。少し恥ずかしい。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
319Res/223.03 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice