過去ログ - 早川あおいちゃんスレ
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306:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/03(月) 12:28:36.03 ID:MbGthdgM0
【あおい、相談する】

「矢部君、ちょっと付き合って」
「え、オイラでやんすか? 小波くんじゃなくて」
「ううん、矢部君に用事」

練習後、着替えを終えて更衣室から出てきた矢部を待ち構えていたのは、やけに不機嫌そうなあおいであった。
しかも矢部を直々のご指名と来ている。
あおいのことなので自分ではなく小波に用があるのではと勘ぐった矢部であったが、その予想は簡単に裏切られた。

「さ、行こう矢部君。色々と相談があるんだ」

正直言うと、厄介ごとの匂いしかしない。
あおいが小波にベタ惚れなのは矢部も重々承知のことだし、何より小波も女性陣の中ではおそらくあおいを特別視している。
二人で完成しきっている人間関係の中に、いくら高校時代の親友とはいえずけずけ入り込むべきではないと、矢部の直感が警鐘を鳴らしていた。
それに、今日は家に直行して昨晩地上波初放送だった「ガンダーロボUC」の録画をじっくり眺めようと思っていたのだ。

「あの……相談って、小波くんじゃダメなんでやんすか? オイラちょっと用事が……」
「その小波くんのことで相談があるの。矢部君にしか相談できないからさ」
「う……そうしおらしい姿を見せられると弱るでやんす……」

常に勝気なあおいに伏し目がちに語られると弱くなるのは男の性か。
力になってあげたいと思わせるのは才能であろう。

「……じゃあ、相談に乗るでやんすよ……」
「うん、ありがとう矢部君!」
「ど、どういたしましてでやんす」

ぱあっと顔を輝かせるあおいの顔はあまりにも可愛らしくて、矢部はつい一線を超えそうになる自分を制した。

――オイラ、落ち着くでやんす! あおいちゃんに手を出した瞬間に小波くんに殺されるでやんすよ!


* * *

「あれ、小波先輩。女子更衣室の近くまで来てどーしたんですか?」
「覗きは感心しないぞ、兄さん」

追加の練習を終え、女子更衣室近くまで足を運んでいた小波に同じく着替えを終えたみずきと聖が声をかけた。

「いや、覗きじゃないからね」

最近食事を共にすることも少なかったので、今日は久しぶりにあおいと矢部を誘って恋恋同期で夕食でもと考えていたのだ。
しかし矢部の気配もあおいの気配もなく、携帯にも連絡がつかないのでこうして更衣室付近までやってきた次第である。

「それより、あおいちゃんいないかな?」

小波の言葉に、みずきと聖の二人はむっとした顔を見せる。

「それより、かぁ……」
「まったく。……兄さん、夕餉に付き合ってもらうぞ」
「え、いや俺はあおいちゃんと矢部君に」
「その二人ならさっき二人きりで帰りましたよーだ」
「え。み、みずきちゃんそれ詳しく……」
「はい、いいから行くぞ兄さん」

みずきと聖に両脇を抱えられ、問いかけ虚しく小波はずるずると引きずられていった。


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