11: ◆8HmEy52dzA[saga]
2014/10/02(木) 19:27:46.63 ID:wGGDvAXqO
「腐ったことがないからわかんないな。詳しく聞きたいのなら、お姉ちゃんか臥煙のお姉ちゃんに聞いてよ」
「いや、いいよ。ごめんな、変なこと聞いて」
出歯亀だこんなもの。
愚かしいにも程がある。
気恥ずかしさと罪悪感を誤魔化すかのように、斧乃木ちゃんの頭を撫でる。
撫でられている間、斧乃木ちゃんは何故か目線を僕の方に向け続けていた。
気安く撫でてんじゃねえよ、と暗に言われている気がして、思わず手を離してしまう。
「…………」
「……ど、どうした?」
「なんだろう……なんか、変」
斧乃木ちゃんらしくない、曖昧な返事が返ってきた。
彼女はこれ以上なくものをはっきり言う子だ。
そもそも言葉をオブラートに包む、ということを知らないのかも知れない、と疑う程である。
その斧乃木ちゃんからなんか変、なんて具体的な状態がわからない言葉を聞くとは思わなかった。
「なんか、ざわざわする。ざわざわというか、もこもこというか、ふわふわというか」
「どれもわかんねえよ」
せめてどれかひとつにしろ。
「良くわからないけれど、大丈夫か?」
「うん、身体に問題はないよ」
例の、メンテナンスの間が空きすぎている弊害だろうか。
「ねえ鬼いちゃん、『生きている』と『死んでいる』の違いは、どこにあるんだろう」
「え?」
「僕に心は無いけれど意志はある。僕に心臓の鼓動は無いけれど身体は動く。僕に時間は無意味だけど身体は時間の流れの中にある。僕と鬼いちゃんの違いって、何なんだろうね」
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