283: ◆YGEX1y1gzI[sage]
2015/05/11(月) 02:13:40.32 ID:2jE7P7Dbo
み「...はっ!...やっ!」
薄暗い道場に威勢の良いかけ声と竹刀を振るう音が響く。
園田家の一角にある剣道場、日中は海未の父を師範として門下生達が稽古を行っているがこの時間にはもう誰も使っていないため貸し切りで使える、身内の特権である。
海未は竹刀を振りながら剣道部での事を思い返す。
剣『見た感じ、昔から稽古を積んでいただけのことはあってフィジカル面は充実してるね、剣速はかなりのものだし、防御する反応も早い』
あの後風やしずくとも立ち会ったが、はっきり言って全く勝負にならなかった。
隙だらけだの攻撃が単調だの覇気がないだの散々言われたが、彼女らの証言を統合するとおおよそ「動きが見え見えすぎる」ということらしい。
剣『海未ちゃんに足りないのはおそらく、経験だ』
対人戦の経験が無いから、どういう状況でどこに打ち込めば決まりやすいかとか、攻められている時にどう立ち回れば反撃できるかとか、そういう実戦の中で身に付いていくような技術が全く無い、という理屈のようだ。
そしてそういうものは一朝一夕で身に付くものではない。
剣『とにかくそこを大会までに出来る限り補強するしかないね』
きっと付け焼き刃にしかならないだろうけど...。
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