37: ◆YGEX1y1gzI[sage]
2014/10/04(土) 23:54:51.95 ID:aFku0voto
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穂乃果「すぅ......よし」
『花陽』を家に送り届けた『穂乃果』は、老舗和菓子店穂むらの前で深呼吸して気合いを入れた、他人の家に我が物顔で押し入っていくというのは花陽にとっては少々ハードルの高い事だった。
先ほど送った穂乃果は花陽の家に何の躊躇もなく入っていったようだったが。
何度も家に入った後のことをシミュレートしてようやく決心を固める、入り口の引き戸に手をかけたその瞬間、扉は向こう側から開かれた。
雪穂「うわっ、お姉ちゃんなにやってんの、今探しに行くところだったんだよ?携帯も置いていってるし」
穂乃果「うぇ!?あ...うん、ご、ごめん、ね?ちょっと...運動しに?」
雪穂「はぁ、元気だねぇ、そういえばずっと携帯鳴ってたよ、誰か知らないけど早く連絡した方がいいんじゃない?」
穂乃果「あ、うん...おじゃ...ただいまぁ...」
高坂母「あ、穂乃果どこ行ってたの!さっさとお風呂入りなさいよ?」
穂乃果「う、うん」
曖昧に返事する娘をよそに店の方にぱたぱたと駆けていく母、妹もいつの間にか部屋に引っ込んだらしい、一人取り残された花陽がこっそりついた溜め息は安堵によるものか憂鬱によるものか。
なんとなく足音を殺しながら穂乃果の部屋に入ると、机の上に放置してある穂乃果の携帯が着信ありを示すランプを点滅させていた。
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