382: ◆YGEX1y1gzI
2015/12/25(金) 02:02:26.41 ID:dWO8ehX+o
海未『ことりっ!』
ことり『ひゃぁっ!?』
何かから逃げるように小走りで家の方へ向かうことりに追いついて声を掛けると、肩を思いっきり跳ねさせながら素っ頓狂な悲鳴が上がった。
海未『やっぱり――ことりだ』
最後に、同姓同名かつ他人の空似という僅かな可能性も残されていたが、杞憂だったようだ。
ことり『う、うみちゃん...』
海未『ぷっ、あはははは、何をそんなに怯えてるんですか、不審者だとでも思いました?』
ことりがあまりにも青い顔をしているものだから思わず吹き出してしまった、驚かせてすまないという気持ちもあるにはあるが、イタズラが成功したような高翌揚感の方が大きい。
ことり『もう、海未ちゃんってばびっくりさせないでよぉ、ことり、もうすこしで転んじゃうかと思ったんだから』
かわいらしく拗ねてみせることりに頬が緩みかけるが、いざ対面してみるとことりの姿の違和感に気づく。
その正体は足下のスカート。
夏真っ盛りのこの暑い日に膝下20cmはあるロングスカートのワンピース、これに鍔広の麦わら帽子でも被れば高原のお嬢様といった趣だが、このヒートアイランドのまっただ中ではどうにも暑苦しいし、第一子供らしくない。
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