過去ログ - 八幡「やはり地球防衛ロボット"ジアース"は間違っている」
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126: ◆WqJdCIH9ivV3[saga]
2015/01/22(木) 00:07:50.72 ID:WNaVig6pO

俺の推測は、今話した通りだった。

陽乃「…………」

陽乃さんは俺の答えを聞いた後、薄い笑みを見せ、しばらく顔を後ろに向けている。

それが正解か否かを示しているのかわからない。
けれど、これが俺が出した解答だ。

陽乃さんは妹を守るため、死を甘んじて受け入れ戦うのだ、と。


陽乃さんの問いは、非常に答えにくいものであった。

理由は二つ。
今までの不可侵領域を超えた、雪ノ下家に関わるデリケートな問題だったということが一つ目。
もう一つは陽乃さんの狙いが不明瞭な点だったからだ。

そもそも雪ノ下陽乃という人物を正しく認識するはかなり難しい。

なんせ、あの陽乃さんだ。
例え本人の口から腹の中を話したとしても、信憑性に疑問符がつく。

陽乃さんは語ってる時も、纏っている雰囲気を崩さなかった。あの晩の笑顔のようではなく、完全に仮面を被っていた。
ということは、純粋な相談事では無いのではないか? と邪推してしまう。

それで思いついたのが、ジアースのルールの件だ。

ココペリは10戦戦うのだと言った。ならば小町を除いた俺たち12人の中で誰か2人生存できるということだ。
陽乃さんがこれを見逃す訳がない。なんとしてでもその生存枠に入ろうとするだろう。

だが、それを実際に知ったのはパイロットの指名を受けた後だった。
今までの話を聞いている以上では、抗いようの無い、死の宣告。
にも関わらず陽乃さんはそれを笑って受け入れたのだ。

ここまでの事情と俺から見た雪ノ下陽乃という人物像を照らし合わせる。
そうすると結びついてきたのはやはり妹の存在だった。

陽乃さんは妹の雪ノ下に歪ながらも確かな愛情を持っている。
俺の小町への溺愛っぷりにも劣らないシスコンなのだ。

ならば雪ノ下雪乃は契約をしていないと考えるのが妥当である。
方法は分からないが、とにかく溺愛する妹の雪ノ下は死ぬことはない。だから陽乃さんは平常心でいられるのだと。


やがて陽乃さんは向き直った。

陽乃「正解は……、ふふふ、保留・」

陽乃さんはいつものように、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。
その表情はあまりに完璧過ぎて、逆に違和感を感じたのは気のせいだろうか。

コエムシ「……く、くくく」

そして、しばらくして、堪えきれなくなったとばかりに声をあげたのは、コエムシだった。


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