25: ◆EhtsT9zeko[saga]
2014/10/07(火) 22:34:25.17 ID:hySjMWKmo
「分からない…ある意味、死ぬかもしれないし、もしかしたら生きられるかもしれない…でも、死にたい、と思うこともある…はは、怖くてそんなことできないんだけどさ」
どういうことなんだろう?私はお姉さんの言葉の意味がよくわからなかった。
その呪いがどんな呪いなのかってのがまだよくわかってない、ってことなのかな?
お姉さんは考えている私に構わずに話をつづけた。
「とにかく、あたしには時間がないらしいんだ。だから、あたしはこの呪いの『答え』を探してる…それがなんだか、全然見当もついてないんだけどね」
お姉さんはそういって、私の顔を見て肩をすくめた。
そっか…お姉さんはきっと、あの呪いを解くための方法を探して旅をしているんだ。
呪いの効果がお姉さんを蝕むのが先か、それとも、呪いがどんなもので、どう解くのかを見つけるのが先か…時間がない、ってのはそういうことなんだ。
と、急にお姉さんはカラカラっと笑い声を上げた。
「ごめんね、急にこんな話して。ずっと一人で抱えてきたから誰かに話したかったんだ」
「ううん…その…わ、私は力にはなれないけど…いい方法が見つかるといいね」
「あぁ、うん。ありがと。あんた、いい子だね」
私が言ってあげたら、お姉さんは嬉しそうに笑ってそう返事をしてくれた。
ふと、香ばしい匂いが香った。見たら、こすっていた枝が赤々となって煙を上げていた。
私はそこに枯草を押し付ける。ほどなくして草に火が着いたので、それを薪の下の枯葉の中に押し込んで、ふーっと息をかけた。
すぐにボッと音がして枯葉が燃え上って、細い枝に燃え移り、薪に火が灯った。
「へぇ!やるもんだ!」
お姉さんがそう言ってくれたので私はなんだかうれしいのと恥ずかしいので、えへへと笑ってしまっていた。
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