926: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/12/14(月) 00:37:11.33 ID:jGgpJsLto
待って待って待って待って!これ止めないとまずいよね?
やっぱり零号ちゃんはいろいろといろいろ、盛大な勘違いをしているみたいだ。
えと、うぅんと…そう、まずは、結婚とは何たるかを説明して、それで好きって気持ちの説明をして、
それからちゃんと、私は友達として零号ちゃんが好きなのであって、結婚とかそういう好きではないんだってことを説明して
えぇと、それから赤ちゃんのことは…まだわからないからとりあえず今は良いとして、それからあとは…えぇと、えぇぇと…
そんなことを考えているうちに私は顔がみるみる熱くなって、その熱が頭の中にまで及んで耳から煙を吹きそうなくらいに混乱する。
「幼女ちゃん…?」
不思議そうに首を傾げる零号ちゃんに、私がとにかく何でもいいから声を掛けよう、と思ったときだった。
ガチャッとドアを開ける音がして、部屋にお姉さんが入ってきた。
まだお昼前だというのに、部屋に戻ってくるなんて珍しい。
いつも着ている政務官用のマントを脱いで、普段着用の綿のシャツとズボンに着替えている。
髪もしっとり濡れていて首からはタオルも掛けているし、どうやらお風呂に入って来たらしいってことは分かった。
でも、なんでこんな時間に…?
「お、お姉ちゃん…?ど、どうしたの?」
零号ちゃんが驚いた様子でお姉さんにそう尋ねる。
「ん、いや、魔導士が戻ってきてくれてさ」
「魔導士さんが?」
私は、勇者様以上に疲労の色の濃いお姉さんにそう聞き返す。
するとお姉さんは
「うん。手習い所の方を、師匠だっていう賢者のじいさんとその賢者の新しい弟子が代わってくれたらしくってさ。
こっちに上がってきて、書類仕事はしてやるから少し休め、って言われちゃったよ」
なんて苦笑いを浮かべて見せる。
「休めるの?」
「あぁ、うん。ほんのちょっとだけどな。三刻したら北部城塞からの使者との面談があるから、それまでの間だ」
三刻、か…。とても十分な時間とは言えないけれど、それでも今のお姉さんには貴重な時間だろう。
「姫は…昼寝か。あいつもここんとこちゃんと寝てなかったもんなぁ」
お姉さんは姫ちゃんのベッドを見やりそう言って笑い、それから私と零号ちゃんを振り返って
「二刻したら起こしてくれ」
なんていうと、返事も待たずにベッドの方へと歩き出した。
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