過去ログ - 不気田「蛙の王子様」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/10/06(月) 03:57:33.26 ID:8aCZMlRr0
 蛇に餌をあげ終えると、由美子は自分の部屋に戻りベッドに寝転んだ。

 いつもより、格段に心身共に疲れていた。

 不気田を間近で見たせいかもしれない。

 枕元に置いてあった漫画へと手を伸ばし、面倒臭げにページを捲る。

 パラパラと流し読みをしているうちに、知らず知らず由美子は眠りに入ってしまっていた。

 ずるり。べたり。

 数時間は経っただろうか。

 由美子は、窓の外から聞こえてくる奇妙な音のせいで目が覚めた。濡れた布を丸めて、地面に叩きつけたような音だ。

 外はまだ雨が降っている。

 音の正体を確かめるため、由美子は窓へと歩みを寄せた。

 ずるり。べたり。

 音が近付いてくる。
 
 窓へと手を伸ばした時だった。
 べたり。

 窓の外に、巨大な緑色の手が現れた。


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