129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga]
2014/12/10(水) 06:16:32.32 ID:gMnDKuR50
「なんて言うか、失礼ながらお名刺を頂戴した後気になったんで調べてみたんですよ」
カメラマン「まあ、でも光栄です。私に興味を持って頂けたって事なんですから」
ええ、僕は笑って携帯の画面を見せる
「かなり多くのドキュメントや映画に携わっていらっしゃるようですね。仰る通り、監督、
助監督という立場も経験なさってる様ですね」
カメラマン「ええ、楽しくて楽しくて」
「そうですよね。自らも女優として歩んでいこうと思っていて、断念してしまった。それでも、
今こうして楽しめているのは素晴らしいことです」
……。 予想していた。こういう空気になること。
でも、
「いえ、調べていたら出てきました。女優……というかダンサーですね。脚を痛めたそうで」
カメラマン「はい……傷心の頃に映画を観て、それに感動してこういう道もいいかなってこっちに来たんです」
「ええ、素晴らしい才能です。舞台をあきらめてすぐに……そうだ、『未来都市』っていう映画の演出に関わっていら
っしゃいましたね。私も観たことが有ります。大ヒットはしなかったものの、根強いファンが出来る作品で今も評価が
高い」
カメラマン「……ありがとうございます」
「その次は、『東京ラン!』の演出ですね。8時間近く東京の道を占拠して行われるマラソン大会。今回も何万人参
加したかわからないほどのビッグイベントです」
カメラマン「すこし、言っている意味が分からないです」
「失礼しました。そういえば、貴女が参加なさってた作品、企画に全て同じ人間が関わっているんです。偶然かなと
思ったんですが……偶然にしては多すぎるんじゃないかしら? と思ってしまったものでね」
カメラマン「仰っている意味が分かりません」
「文学博士とはどういったご関係で?」
遠くでマイクの響く音が聞こえる。
カメラマン「どう……って、仕事上付き合いしか……」
「はい。仕事上の付き合いはあって当然でしょう。貴女が参加なさっている作品計48作品中33作品にクレジットがあ
りますから」
カメラマン「そこまで……」
すみませんね。という言葉を飲んで
「貴女は私たちと初対面だったとき、こう仰いましたね『売り出し中の制作者、経験が少ない』と私には謙遜という文
化がないので分かりかねますが……まあ想像になってしまうんですが……」
カメラマン「そこまで分かってるんですね」
「いえ、全て証拠なんてない。推測なんですけどね」
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