過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 21:31:16.95 ID:hGctJzQM0
 長かった。ここまで来るのにだいぶ飛び石をしちまった。
だけどようやくアタシも最後の話が出来そうだ。

「結末は知ってるよ。
 だからどこから話しても構わないんだよ。どうせ同じ事なんだから」

 全ての石を生かす事は出来ない。大きく生かそうと動けば大きく死ぬ。
全ての石を殺す事も出来ない。大きく殺そうと動けば大きく生きる。

 だから石を繋がなきゃいけない。小さく生かせば、小さく殺される。
だから話を繋がなきゃいけない。小さく殺せば、小さく生きられる。

 全ての石を生かす事は出来ない。全ての話を繋げる事も出来ない。

 必要なものは目くらまし。隅を埋めれば嫌でも盤面の中央へ足を進めなきゃならない。
足が止まれば手が届く。手が届くならば格下でも殴り合える。

 囲碁を打つ親父の背中を思い出す。
似ても似つかぬ筈なのに、なぜだかその背中は能面みてぇな柳の微笑みを思い浮かばせる。

 勝負を決めるのはどっちつかずの石。
生きてはおらず死んでもあらず。
そんな半端もんが全てを決める。




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