過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 19:27:46.61 ID:hGctJzQM0
 ある時ふと思いたって、親父の机で束になってる書類を捲り見た事がある。
別に何がしたかったって訳じゃない。それを見て話がしたかった訳でもない。
ただ、親父の仕事を理解したかった。親父の事を知りたかった、きっとアタシにあったのはただそれだけだった。


 中身は見たさ、日本語が書いてあった。だからアタシにはきっとその書類を読めたのだろうさ。
だろうさって歯切れの悪い推論を使うのは、アタシがその中身を忘れるよう努めたからだ。本当は覚えていても良かったんじゃねぇかな?
親父の元での雑用は山ほどあったが、一度も部外秘の赤判が押された封筒は見た覚えがない。それは真実だ。

 きっと親父が家へ持ち帰る仕事に、ヤバいものは一つもなかったんだろう。
それでもアタシが書類をめくっていた時、親父は背後から両手で優しくアタシの目を塞いだ。
そしてアタシを諭すんだ。人は正しい理由で間違った行いをするってな。




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