過去ログ - 向井拓海「The Passion――判定は許さない」
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83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:10:35.14 ID:hGctJzQM0
 これだからガキは嫌いだ、純粋で残酷だから。
あいつ等は他人の存在を許容できない。少しでも自分と違えばそれが十分正当な迫害の理由になっちまう。
目の前に居るのは見るからにとろそうで気弱な輩だ。いじめるには恰好の的だろうな。

「ふぇぇん……ぐすっ……。くるみは不良のおねーしゃんを捕まえないといけないの。
以下略



84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:11:15.84 ID:hGctJzQM0
 恥や外聞何ざ投げ捨てろ。硬派なアタシを知る人間も笑わば笑え。
弱いもんをいたぶるのはクズのすることだし、ガキを泣かせる何ざもってのほかだ。
そしてくるみは今アタシの前で泣いている。

「たくみんのラブラブスマイルでばっちぐー☆ ばっちぐー☆」
以下略



85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:11:53.47 ID:hGctJzQM0
「ほら、つーかまーえた。
 これでもうアタシらダチだ」

 くるみの手を取り、優しく両手で握手を行う。
ガキにとって仲間外れにされるってのは辛いもんさ。
以下略



86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:12:38.31 ID:hGctJzQM0
 嘘を付くのは辛い事だ。狙いを付けたレディース集団へとおもねりへつらい媚を売る。
上役に気に入られ中央へ食い込むに従い、風当たりは強くなる。アタシはよそ者だしな。
それでも全方位に頭を下げ続けなきゃなんねぇ。つけ入る隙を与えれば正体がばれる。

 怯える事が嫌なわけじゃない。最悪リンチにあったとしてもアタシの腕力ならば抜け出せる。
以下略



87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:13:46.30 ID:hGctJzQM0
――――

「それでくるみはアタシを捕まえてどうしたいんだ?」

「わかんない。くるみはおねーしゃんをつかまえるのがお仕事だって言われたから」
以下略



88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:14:22.45 ID:hGctJzQM0
「うんいーよ。でもねくるみおみそだし、お外で遊ぶのは苦手なの」

「そんならくるみに必要なのは御勉強だな。
 勉強は大事だぞ。頭が回れば将来嫌な奴へ頭を下げずにすむからな」

以下略



89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:14:59.47 ID:hGctJzQM0
 何もかもが嫌になったアタシはひたすらバイクで走り続けたが―――、
あの時早苗の姉御にとっつかまって天狗の鼻を折られたおかげで踏みとどまれた。
でなきゃ今頃は無謀な喧嘩でとっくにくたばっていただろうさ。


以下略



90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:15:52.28 ID:hGctJzQM0
「ううっ……。くるみけんかは嫌だよ〜」

 くるみの肩を両手で掴み、正面から見据える。
柔和な優しさではない。一刀万殺の激しい怒りをもってアタシはくるみを導くのだ。

以下略



91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:17:17.28 ID:hGctJzQM0
 自分の心へ嘘を付かなきゃ生きられないのは辛い事だ。
そいつを納得しなきゃいけないのはもっと辛い。

 くるみは頭が回らないんじゃない。頭が切れすぎるんだ。
自分がどうこうではなく、何時だって他人の事を考えちまう。
以下略



92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/10/06(月) 20:17:49.81 ID:hGctJzQM0
 くるみの肩から手を離し、改めて柔らかく両手を握る。
この温かさはアタシの曇った眼でも確かに見える。



以下略



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